登山で重要な装備の一つが行動食です。
チョコやナッツなどは、山行中にさっと食べられてエネルギーを補給できる反面
- 溶けてしまって食べにくい
- 味に飽きてしまった
- 夏山では水分を奪われ食べにくい
などに悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は、この夏おすすめの行動食を、食べやすさや取り回しの良さに焦点を当てて7個紹介します。
・行動食って何?どんな物か知りたい人
・夏の行動食のレパートリーを増やしたい人
・食べやすい行動食を探している人
行動食は登山中のエネルギー補給食
行動食とは、登山で行動中や休憩中にエネルギー補給を行うための食料のことです。
登山は有酸素運動の中でも特に運動強度の高いスポーツです。
運動強度はメッツという指数で分類されます。
提供:厚生労働省
(1) 「メッツ」(強さの単位)
身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。
例えば平地での徒歩は3メッツ、ジョギングが7メッツであるのに対して、日帰り登山は7.5メッツです。
また登山は運動時間が4~8h程度と長く、カロリーを大量に消費するため、定期的なカロリー補給が必要となります。
この定期的なカロリー補給のための食料が行動食です。
行動食選びのポイント
消費と摂取のカロリーバランスを考慮する
山行中のカロリーは次式で表されます。
提供:YAMAP MAGAZINE
上記の例に基づくと、1日当たり約2500kcal程度のエネルギーを消費します。
この消費カロリーのうち、7~8割の1750~2000kcalを朝食、昼食および行動食で補うことが必要です。
朝食と昼食で1000kcal補給する場合、残りの750~1000kcalを行動食で補給します。
昼食を除いて、休憩を1hごとに4回取る場合、休憩1回当たり約180~200kcal程度のエネルギーを行動食で補給する必要があります。
食べやすさ
運動強度の高い登山において、行動食の食べやすさも気を使うポイントです。
ハイカロリーを重視しすぎるあまり、チョコ系やナッツ系に偏ってしまい、口の中の水分が持っていかれます。
特に登山中は口の中の水分も奪われやすいため、食べやすい行動食のポイントとしては
- 水分を多く含んでいる
- 食べると唾液の分泌を促す
などです。
保存性
夏の登山の行動食選びで忘れてはいけないのが、保存性です。
特に長期間の山行では、食料が傷みや湿気りなどにより劣化しやすくなります。
そのため、賞味期限や包装状態を参考に、常温で長期間持ち運んでも傷みにくい行動食を選ぶことが重要です。
夏の登山に持っていきたいおすすめの行動食7選!
早速、おすすめの行動食を7つ紹介します。
グミ | ドライフルーツ | ポテトチップス | カリカリ梅 | 羊羹 | イチゴ大福 | アルファ米 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カロリー (100g当たり) | 315kcal | 318kcal | 532kcal | 50kcal | 282 kcal | 約170 kcal | 370kcal |
重さ | 40g | 250g | 105g | 22g | 40g (1個) | 約80g (1個) | 100g / 260g(出来上がり時) |
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グミ
カロリー(100g当たり) | 315kcal |
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重さ | 40g |
グミはゼラチンと糖分、水あめで作られており、傷みにくく行動食に最適です。
特に果実系グミは、カロリーとさわやかな味を両立している点から、おすすめの行動食です。
また、グミは噛むことで唾液の分泌が促進されるため、食べやすく、行動食として適しています。
特にニッポンエールグミは100g当たり315kcalの高カロリー食品であり、地元の農家を応援しつつ、美味しくエネルギー補給ができる点が大きな特徴です。
高温下に放置すると溶ける事が有るため、注意してください。
詳細は下記の記事でまとめています。
ぜひ参考にして下さい。
ドライフルーツ
カロリー(100g当たり) | 318kcal |
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重さ | 250g |
ドライフルーツもおすすめの行動食の一つです。
“乾いているから食べにくいのではないの?”と思われる方もいるかもしれません。
しかし、フルーツの酸味が唾液の分泌を促すため、登山中でも無理なく食べられます。
我が家は、登山帰りに長野のツルヤでドライフルーツを購入し、次の登山の行動食にするのが定番となっています。
ツルヤのドライフルーツは種類も多くおすすめです。
また、ドライフルーツを行動食に勧める理由は、下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひ参考にして下さい。
ポテトチップス
カロリー(100g当たり) | 532kcal |
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重さ | 105g |
ポテトチップスは、カロリーと塩分の点から優秀な行動食なのですが、
- 標高が高くなると袋が膨張してかさ張る
- 袋が再封できないため、食べ残したチップスが湿気ったり、袋の中で割れてしまったりする
- 中身がザック内に散乱してしまうことがある
などの点から避けている方も多いと思います。
そこでおすすめなのがプリングルスや、チップスターです。
- ケースに入っており蓋が付いている為、再封や保存が容易
- 食べ終わったケースはゴミ箱に出来る
などのメリットがあります。
ポテトチップスを行動食にする人は意外と少なく、持ってくるとパーティメンバーに喜ばれます。
カリカリ梅
カロリー(100g当たり) | 50kcal |
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重さ | 22g |
梅干しの酸味も唾液の分泌を促してくれます。
また、梅干しにはナトリウム、カリウム、ビタミン、クエン酸等が含まれている為、塩分補給や疲労回復の効果があります。
ドライではないカリカリ梅は水気含まれるため、食べやすい行動食としておすすめです。
羊羹
カロリー(100g当たり) | 282 kcal |
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重さ | 40g (1個) |
ハイカロリーで口当たりの良い羊羹も行動食としておすすめです。
羊羹はハイカロリーである反面、油分があまり含まれておらず、運動中に食べても胃もたれを起こしにくいのが特徴です。
特に近年では、マラソンや登山などを意識したスポーツタイプの羊羹も登場しており、歩きながらでも素早くエネルギーチャージできます。
ようかんを選ぶメリットや、スポーツようかんについては下記の記事で詳しく説明しています。
行動食としてようかんが気になる方はぜひ参考にして下さい。
イチゴ大福
カロリー(100g当たり) | 約170 kcal |
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重さ | 約80g (1個) |
あんこの中にイチゴが入っており、糖分と水分を同時に補給できます。
かさ張りますが、登山中に食べる生の果物はとても口当たりが良く、持ててきて良かったと思える行動食です。
賞味期限が短いため、日帰り登山や1日目で食べきる必要がある点に注意してください。
アルファ米
カロリー(100g当たり) | 370kcal |
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重さ | 100g / 260g(出来上がり時) |
山行中の夕飯や朝食として活躍するアルファ米ですが、行動食で真価を発揮します。
山行中の夕飯はどうしても濃い味付けのごはんがのどを通らなかったり、一袋の量が多すぎて食べきれなかったりしませんか?
アルファ米を行動食とするメリットは以下の通り
- 入れる水の量によって味、水分量を調整できる
- ゴミが出るのが食べ始めと食べ終わりだけ(小袋のゴミが出ない)
- 五目御飯、ピラフ、わかめごはん等、様々な味から選べる
- 適度な塩気で食が進む
- 非常に軽量な為、長期山行に有利
私は友人から行動食にアルファ米を進められた時、“味が濃すぎて行動中には向かないのでは?”と思っていました。
しかし実際食べてみると、サコッシュに入れて歩きながら食べられたり、適度な塩気で思ったよりも食が進むことが分かりました。
この夏、長期山行を計画されている方におすすめの行動食の一つです。
まとめ
この夏おすすめの行動食を食べやすさや取り回しの良さに焦点を当てて7個紹介しました。
行動食は山行中のカロリー不足を補う重要な役割があり、適切に摂取しなければシャリバテなどを引き起こします。
定型的な行動食に飽きてしまった方は、上記の行動食を参考に自分に合ったものを探してみて下さい。
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