- 子どもを登山に連れて行くとどんなメリットがあるの?
- 小さい子どもを登山に連れて行く時の安全対策は?
- 小さい子ども特有の持ち物はある?
- 子どもに登を楽しんでもらうためには、どんな工夫をすればいいの?
実は子どもを山に連れ出すときに、正しい準備や知識を整えておかないと、子どもにも嫌な思い出が残り、登山や自然体験を拒否するようになってしまいます。
なぜなら、子どもが十分に登山を楽しめなかったり、怪我や事故に繋がってしまうからです。
自分が小さい頃に親子登山で感じたこと、自分が親として子連れ登山で気を付けていることをもとに、1~3歳児と登山に行くメリットや注意点を詳しく解説します。
この記事を読むことで、長期的に親子で登山を楽しむためのノウハウや、子どもに自然を楽しんでもらうためのコツがわかります。
正しい準備や知識で親子登山を楽しむことで、子どもに登山の楽しさを知ってもらい、自己肯定感や学力を向上させることが可能です。
親子登山が子どもに与えるメリット4選
好奇心を刺激できる

登山に出掛けると、様々な草木や動物、鳥たちに出会うことができます。
小さい子どもにとっては、絵本や図鑑でしか見たことない草花や動物たちを、実際に目にする初めての体験です。
また、分岐した登山道の行先、流れてきた沢の行方など、まだ見ぬ世界に想像を膨らませる事も好奇心を刺激します。
- 様々な色や形、鳴き声の鳥や動物がいるんだ!
- 見たことない花が咲いている。なんだろう?
- 滝の迫力に驚き!
- この沢はどこに流れていくんだろう?
- あっちの道の先には何があるんだろう?
登山を通じて、初めての事を体験したり想像を膨らませることで、子どもの好奇心を育むことが可能です。

普段見ない大量の水、滝の音、水しぶきに目を奪われていました。
脳機能が活性化し、学力向上につながる

登山は子どもの脳の発達に良い影響を与え、将来の学力向上につながります。
その一つは、登山中に五感が刺激され、観察力が身に着くことです。
- 視覚
色とりどりの草花、木漏れ日、遠くの山や麓の町に目を凝らすなど。 - 聴覚
小川のせせらぎ、普段は違う鳥のさえずりに耳を澄ます。 - 味覚
いつもよりおいしく感じる山でのごはんやおやつ。 - 嗅覚
湿った土、咲いている草花の香りを感じる。 - 触覚
石や岩のざらつきや冷たさを感じる。登山道の凸凹を足裏で感じる。
こうした五感の刺激は、子どもの「気づく力」を育てます。
「この花はさっき見たことがある」「川の水は冷たくて気持ちいい」といった発見が、観察力を養うきっかけになります。
また登山では意思決定が連続するため、考える力が身に着く点も大きなメリット。
例えば登山中、子どもが倒木をまたごうとするシーンでは、自分なりに試行錯誤を常に繰り返します。
「どこに足を置けばいいかな?」
「こっちの方が低いから登りやすいかも!」
こうした試行錯誤が観察力や判断力を育て、子どもに考える力を与えます。
道のりの途中で「この先に何があるかな?」と想像したり、落ち葉の形を見比べたりすることで想像力や創造性が身に着くことも重要です。
登山中のこうした経験が、子どもの観察力、判断力、想像力が子どもの脳の発達を促し、将来の学力向上をサポートします。
愛着形成を深め、自己肯定感が高まる

ありのままの自分を受け入れる力の事を自己肯定感と言い、幼児期の家族との愛着形成が大きく関係しています。
脳科学者の西剛志氏によると、自己肯定感が高い子どもは、社会的成功や高い幸福感を得やすいと言われています。
- 感情が安定している
- 自分や他人を尊重できる
- ポジティブ思考ができる、失敗しても前向きに行動できる
- 自分の人生に主体性を持てる
- チャレンジ精神が高い
親子登山は幼児期の自己肯定感を育てるのにピッタリ!
登山中の思い出を共有したり、子どもの『自分で出来た!』を親がサポートするすることで、親と子の愛着形成が深まります。
- きれいな景色や動植物が見れた!
- 頑張って山頂まで歩き通せた!
- 疲れてしまったけど、両親がサポートしてくれた!頑張った事を褒めてくれた!
- 山で食べたごはんがおいしかった!
登山を通して思い出を重ね自己肯定感を高める事は、子どもが将来にわたって幸せな人生を送るための土台となります。
体力がつく

未舗装の登山道には、木の根や岩など多くの障害物があります。
こうした障害物の上でバランスを取ったり登り降りする事で、自然にバランス感覚や足腰の筋力、持久力を鍛えられます。
特に1〜3歳の子どもにとって、登山は自然のアスレチック!
小さい挑戦の繰り返しで、体力とチャレンジ精神が育ちます。
「こっちの木の根、ジャンプで超えられるかな?」
「この岩に登るのはどうしたらいいかな?」
また子どもだけでなく、大人にとっても親子登山はとても良い運動です。
特に、普段からオフィスワークで運動不足になりがちなパパ、ママにもおすすめのアクティビティ!
親子登山を毎週や毎月の習慣にすれば、家族みんなの体力が楽しく自然と付いてきます。
注意点、気を付けること
移動時間は2時間程度が目安

子どもにとって長時間の移動は大変です。
特に車移動では、長時間シートから身動きできず、泣いてしまう場合もあります。
車に乗り慣れていない子どもの場合は長時間の運転を避け、近場の山から連れて行くのが良いでしょう。
子どもが移動で飽きない工夫をして、自宅から2時間圏内の山を探すと良いでしょう。
- おもちゃを用意しておく
車でしか遊べない特別なおもちゃなどを準備しておくとGood! - スマホやタブレットで動画が見れるようにしておく
山間部では電波が入らない場合があるので、事前にダウンロードしておくのがおすすめです。 - 子どもの好きな歌を流す、家族で歌う
自宅で良く見ているアニメや映画の曲をリストアップしておくのがおすすめです。 - ジュースやおやつを用意しておく
どうしても泣き止まない場合の最終手段!行動食をちょっとつまみ食い! - こまめに休憩を入れる
休憩を1時間ごとに取るのがおすすめ!
▶ 東海在住の方におすすめの親子登山の山についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

1~3歳児の車酔いには個人差がある
1~3歳児は一般的に車酔いを起こす可能性は低いと言われていますが、個人差もあります。
スマホなどで動画を見せる際は、下を向かないようスマホを固定する、長時間見せないなど工夫が必要です。
この乗り物酔いですが、未就学児(幼稚園・保育園児など)が起こす頻度は低く、小学校入学後、学年が上がるにつれてその割合が増加していきます。
理由としては、小児の脳の発達と関連があると言われています。3歳くらいまでは、バランスをとる小脳全体が未発達のため、乗り物などの振動への感覚は鋭くありません。
引用元:子どもと医療

“子どもに楽しんでもらう”を最優先する!

親子登山で一番大切なのは、”子どもに自然を楽しんでもらうこと”です。
1〜3歳の時期は、まだ登山を目的として歩くというよりも、自然の中で遊ぶ・発見すること自体が大きな体験になります。
この時期の登山は、”親の登山に子どもを付き合わせている”という意識を忘れず、子ども主体で楽しめるように心がけましょう。
- 子どもが見つけた、楽しい!不思議!に共感する
道端の小さな花やカラフルな石、音を立てて流れる小川…。
大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては大発見!
一緒に立ち止まって観察したり、驚きを共有することで、自然がもっと楽しい場所になります。 - こまめに休憩を取る
目安は30分歩いたら5〜10分休憩。
特に元気いっぱいな子は最初に飛ばしすぎてバテてしまうことも。
時には疲れる前に強制的に休憩を取ることも必要です。 - 子どもの歩調に合わせて歩く
1〜3歳の歩幅は、大人の半分以下。普段のペースで歩くと、知らないうちに距離が開いてしまいます。
子どもの歩調を基準に、「のんびりペース」で自然を楽しむことが成功のカギです。
登山を開始して直ぐにぐずり出してしまうことも。
そうした場合は、無理せず登山口で遊ぶくらいの切り替えも大切です。

ベビーキャリアがあると、子どもを乗っけて一気に下山できます。

ベビーキャリアを活用して、子どもの『疲れた!もう歩けない!』に徹底対応!

この年齢の子どもが、登山道を最初から最後まで歩けることは少ないもの。
疲れたらすぐに「抱っこ〜!」となるのも自然なことです。
そんなときに便利なのが”ベビーキャリア”。
親が背負いながら歩ける登山用の抱っこ紐兼登山用バックパックで、無理せず安全に親子で登山を楽しめます。
▶ ベビーキャリアの特徴と選び方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

子ども特有の持ち物を忘れずに準備!
基本装備に加えて、子ども特有の持ち物(装備)も忘れずに準備が必要です。
おむつや着替えなど、子ども用の登山装備を事前に整えておくことで、登山中のトラブル回避や遭難防止に役立ちます。

- おむつ
登山中は気軽にトイレに行けません。
トイレトレーニングが完了していても装備に入れておくことで、いざという時の下着や携帯トイレとして活躍します。 - 子ども用の着替え、防寒着
小さい子どもは自分で脱ぎ着ができず、暑い寒いの調整が苦手です。
防寒着や汗をかいた時に備えて、予備の着替えや防寒着を持ってください。 - レジャーシート
地面に座って休憩するとマダニに噛まれる心配があるため、レジャーシートを持って行くのがおすすめです。
おむつ替えシートとしても活躍します。 - ストローマグ
ペットボトルやナルゲン、サーモスから飲めない子どもには必要です。 - ベビーキャリア
登山中の子どもの「抱っこ〜!」に応える強力アイテム!
疲れ時にパパやママが助けてくれた経験が、親子の愛着形成を深めます。 - 母子手帳
万が一の場合、迅速に医療処置を行うために必要です。 - 名札、お名前シール、ウェアのタグに名前を書く
迷子対策です。
山中での迷子対策として、ココヘリを子どもに持たせておくことも有効! - 持病薬
山の空気は麓より乾燥しています。
湿疹やアトピーなど、持病の薬がある場合は持ち物に加えて下さい。
子どもに合わせて必要な持ち物をカスタマイズし、持ち物に加えて下さい。
こまめな休憩と水分、エネルギー補給が安全登山の秘訣!
1〜3歳の子どもと登山をするときは、こまめな休憩と水分&エネルギー補給がとても大切です。
子どもは大人よりも体が小さく、水分が失われやすいうえ、自分では喉の渇きや空腹に気づきにくいもの。
気がついたときには、脱水による熱中症やハンガーノック(シャリバテ)に近づいてしまっていることもあります。
休憩は”30分ごと”が目安に、親から声掛けを!

登山中は、30分に1回・5〜10分程度の休憩をとるのがおすすめです。
子どもは遊びや景色に夢中になると、自分の疲れや喉の渇きに気づかないことがよくあります。
だからこそ、親が「そろそろお茶飲もうか?」「ちょっとおやつにしようか」とタイミングを見て声かけしてあげましょう。
水分補給は”喉が渇く前に”がポイント!

たとえ喉が渇いていなくても、少しずつ・こまめに水分補給しましょう。
子どもの体には、体重1kgあたりおよそ100mlの水分が1日に必要とされています。
子どもが1日に必要とする水分量は明確に定められているわけではありませんが、目安として下記を参考にしてみてください。
引用元:キッズドクターマガジン
- 生後0〜11ヶ月:体重1kgあたり150mL/日
- 1〜6歳:体重1kgあたり100mL/日
- 小学生:体重1kgあたり80mL/日
食事などである程度水分が取れるとしても、登山中は発汗が多いため、こまめな補給がとても重要です。
休憩1回あたり:50〜100mlを目安に、麦茶やイオン飲料で補給すると◎。
ミネラルや電解質を含んだ飲み物だと、より安心です。
エネルギー補給も忘れずに!
水分と一緒に、おやつなどでエネルギー補給も行いましょう。
空腹のまま歩き続けると、体がエネルギー切れを起こし、「ハンガーノック(シャリバテ)」になることも。
急に元気がなくなったり、だるそうにしたり、眠そうにしたりするのは、エネルギー不足のサインかもしれません。
登山中は少しずつ、ドライフルーツやおにぎり、小さめのパンやグミなどの行動食でこまめに補給するのがおすすめです。
▶夏山登山でのおすすめ行動食についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

親子の体力に合わせて山、行程を考える
親子登山で「どんな山に登れるか?」は、親子それぞれの体力や経験によって大きく変わります。
特に、1~3歳の子どもをベビーキャリアで背負う場合は、子どもの体重+荷物で合計15kg近くになることも。
だからこそ、親子の体力に余裕ある行先、行程を選ぶことが必要です。
- 同行人数は?
パパとママの2人で行くのか、1人なのか。
登山仲間のサポートがあると、グッと余裕が生まれます。 - 親の体力や経験は?
普段から運動している?登山経験はある?
初心者なら、まずは標高差や行動時間の少ない山から。 - 子どもの年齢や歩ける距離は?
どのくらい自分で歩けるか、疲れやすさはどうか。
無理なく楽しめる距離を見極めましょう。
親子のタイプ別!おすすめの山選びの例を紹介!
- パパが登山経験者・ママが未経験・1歳の子ども(歩けない)
ママに合わせた低山を選ぶのが◎
例:片道1〜2時間で登れる【猿投山】や【金華山】(東海エリア)などがおすすめ! - パパ&ママが登山未経験・3歳の子ども(少し歩ける)
遊び要素が多い、自然散策コースをチョイス
例:養老の滝周辺・御在所岳山上公園(ロープウェイ利用)・上高地の平坦コースなど - パパ&ママが未経験・1歳の子ども(まだ歩けない)
まずは準備段階からスタート!
例:自宅近くの自然公園で「歩く練習」+「ベビーキャリアの練習」
慣れてきたら散策コースにステップアップ!
特に初心者の方におすすめなのが、自然公園の遊歩道や散歩道。
公園の遊具で遊んだ後に、ちょっと森の中に入るだけでも子どもにとっては大冒険ですし、子どもがどれくらいの距離を歩けるか見極められます。
とにかく初めは無理せず、親も子もゆとりの持てる山からスタートするのが成功の秘訣です!
日焼け&虫よけ対策
子どもはまだ肌が弱いため、日焼けと虫よけ対策が必須です。
子どもの日焼け&虫よけ対策は、以下の3点を意識してください。
- 薄手の長袖、長ズボンの着用
虫よけ、日焼け対策は肌を露出しないのが大前提!
薄手の長袖,長ズボンを着用の着用がおすすめです。 - つばの広い帽子の着用
サンシェード付きのハットがおすすめです!
後頭部や首の裏の日焼け&虫よけ対策に効果あり! - 日焼け止め、虫よけ剤の使用
子ども向けの低刺激の物を選んでください。
日焼け止め⇒虫よけ剤の順で塗ると両方の効果を効率よく発揮します。
▶日焼け止めや虫よけ対策についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。


まとめ
親子登山でのメリット4選と気を付ける事、注意点を紹介しました。
- 好奇心を刺激できる
自然体験や想像力への刺激を通じてして好奇心UP! - 学力向上につながる
子どもの観察力、判断力、想像力を通じて脳の発達を促すとが重要。 - 自己肯定感が高まる
自己肯定感を高める事は、子どもが将来にわたって幸せな人生を送る土台になる。 - 体力づくりができる
登山習慣をつけると、子どもも親も体力UP!
- 移動時間は2時間程度が目安。
個人差により車酔いにも注意が必要。 - “子どもに楽しんでもらう”を最優先する!
子どもの歩調や興味に合わせて行動する。
ベビーキャリアを活用して子どもの「もう歩けない」にも対応! - こまめな休憩と水分、エネルギー補給が安全登山の秘訣!
熱中症やハンガーノックになる前に、親から声掛けして水分、エネルギー補給を! - 親子の体力に合わせて山、行程を考える
同行人数、親の登山経験、子どもの体力など状況に合わせた山を選定! - 日焼け&虫よけ対策
薄手の長袖、長ズボンや日焼け止め、虫よけ剤を活用するのがおすすめです!
1~3歳との親子登山を成功させる秘訣は、ベビーキャリアをうまく活用できるかにかかっています。
ただこれからベビーキャリアを選ぶ場合、次の点が気になる方も多いでしょう。
- 子どもを背負って歩けるか、体力に自信がない。
- どれくらいの頻度で登山に出掛けるかまだ分からない。
- 子どもがベビーキャリアにおとなしく乗ってくれるかわからない。
- 中古やレンタルのランニングコストを知りたい。
そうした方に向け、以下の記事で新品購入、中古購入、レンタルした場合のコスパを考察しています。
これからベビーキャリアを選ぶ人は、是非参考にして下さい。
▶ベビーキャリアのコスパについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

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