登山にどんな行動食を持っていくか、都度悩まれている方は多いと思います。
特に
- 行動食がチョコやナッツなどワンパターンになっている
- さわやかな味の行動食を取り入れたい
- 重さやカロリーのバランスを気にしている
などを気にしている方は多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたい行動食が、ドライフルーツです。
ドライフルーツを行動食にすると、下記のメリットがあります。
- 高カロリー食品である
- 口当たりが良く、風味が良い
- 携行性が良い
- 他の行動食との相性の良さ
- 保存性、日持ちの良さ
- オリジナルドリンクが作れる
そこで今回は、行動食にドライフルーツをおすすめする理由とデメリットについて詳しく解説します。
・行動食の選び方
・ドライフルーツの特徴
・ドライフルーツと他の行動食との違い
・ドライフルーツを使った行動食の一工夫
・ドライフルーツが向いている山行と不向きな山行
行動食に必要な要素
行動食を選ぶ際にチェックするポイントは以下の5点です。
- カロリー
- 携行性
- 食べやすさ
- 保存性
順番に説明します。
カロリー
行動食で最も重視しなければいけないのがカロリーです。
登山では1日当たり約2500kcal程度のエネルギーを消費します。
1hに1回休憩する場合、1回の休憩当たり200kcal前後のエネルギーを補給することが必要です。
携行性
パッキングや荷物の重さを日々試行錯誤している方は多いと思います。
行動食も同様です。
- 小さくコンパクトに持ち運べる
- 軽い
というのは行動食を選ぶ際に気にしておきたいポイントです。
特に軽さについては、100g当たりどの程度カロリーが含まれているかが重要な指標となります。
食べやすさ
頻繁に口にする行動食は、食べやすいものを選ぶことが重要です。
行動食と聞くと、ナッツやチョコレート、エナジーバーを思い浮かべる方は多いと思います。
しかし、これらの行動食には
- 口の中の水分を奪う
- 甘い後味が残る
などの問題があり、食欲を減退させてエネルギー補給に差し支えてしまうことがあります。
したがって、食べやすさも重要なポイントです。
特に夏は暑さと喉の渇きで食欲が減退します。
夏に食べやすい行動食は、下記の記事でまとめてありますので、参考にして下さい。
保存性
登山、特に夏の長期山行に持っていく行動食は保存性も確認してください。
行動食は常温で持ち運ばなければならず、長期間の山行では食料の傷みや湿気りなどに気を付ける必要があります。
そのため、常温で長期間持ち運んでも傷まない、劣化しない食品を選ぶことが重要です。
行動食にドライフルーツをおすすめする理由6選
早速、行動食にドライフルーツをおすすめする理由について順に説明していきます。
高カロリー食品である
生果物とドライフルーツを比較すると、ドライフルーツの方が100g当たりのカロリーが高い点が挙げられます。
主な果物とドライフルーツのカロリーは下記の通りです。
ドライフルーツ(kcal/100g) | 生果実 (kcal/100g) | ドライフルーツ/生果実 | |
---|---|---|---|
レモン | 312 | 43 | 7.26倍 |
リンゴ | 293 | 56 | 5.24倍 |
バナナ | 314 | 93 | 3.37倍 |
マンゴー | 339 | 68 | 4.98倍 |
登山では1hごとに約180~200kcal程度、カロリーを摂取するのが望ましいとされています。
トライフルーツは生果実よりカロリー密度が4~7倍程度高く、エネルギーを効率良く摂取できます。
口当たりが良く、風味が良い
ドライフルーツは口当たりが良く食べやすいのもメリットの一つです。
チョコやナッツなどの行動食は、強い後味が残ることがあり、味が単調である場合も少なくありません。
また、これらの食材は口の中の水分を奪いやすく、食べにくいという点も問題です。
一方、ドライフルーツはレモンやオレンジ、リンゴなどの口当たりの良い果物をベースにしているため、フレッシュな風味が楽しめます。
特に登山で疲れた身体でも受け入れやすく、自然な甘みがエネルギー補給にも役立ちます。
また、ドライフルーツは食物繊維が豊富で消化も良いため、登山中でも胃に優しいのがメリットです。
携行性が良い
ドライフルーツの特徴の一つは携行性の良さです。
行動食に代表されるチョコレートやクッキーは、細かくすると溶けやすくなったり、ボロボロに崩れてしまうことが有ります。
一方、ドライフルーツは小さくしても、溶けたり崩れる事がありません。
また、小さくすれば、パウチに入れたりナルゲンに入れて持ち運びが可能。
小分けにしたドライフルーツをサコッシュに入れておけば、行動中もすぐ取り出して食べられます。
このように、
- 細かくしても溶けない、崩れない
- パウチやナルゲン、サコッシュに入れて持ち運ぶのに適している
のが大きなメリットとなります。
他の行動食との相性の良さ
ドライフルーツは以下の3点から、他の行動食と相性が良いのも大きなメリットです。
- 栄養バランス
- 食感
- 消化吸収が緩やか
各項目について順に説明します。
栄養バランス
炭水化物に偏りがちな他の行動食と比べて、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
例えば、バナナにはカリウムやビタミンB6、食物繊維が含まれています。
これにより、エネルギー補給と同時に筋肉の機能をサポートする効果や、山行中の腹痛や便意の改善が期待できます。
このように、ドライフルーツは栄養バランスのが良く、他の行動食で不足しがちな栄養素を補ってくれるのがメリットです。
食感
ドライフルーツは他の行動食とは違った食感が楽しめます。
スナック菓子やチョコレートなどは、パサパサ、モサモサした食感が多めですが、ドライフルーツは軟らかく湿っぽい触感の物が多く、他の行動食とは異なるのが特徴です。
例えばマンゴーやパイナップルはしっとりした果肉感、バナナやリンゴはパリッとした食感がありサクサクとした口当たりが楽しめます。
ドライフルーツの種類によって食感の違いを楽しむことができ、他の行動食と組み合わせることで、飽きることなく美味しく食べ続けられます。
消化吸収が緩やか
ドライフルーツの糖は穏やかに吸収されるため、血糖値の急上昇を抑えられ、腹持ちが良い
スナック菓子、せんべい類などと組み合わせることで、摂取後から長時間にわたって血糖値を安定させ、持続的にエネルギーを提供してくれる。
行動食として持ち歩くには、ドライフルーツをベースとしたトレイルミックスを自作するのがおすすめです。
様々な種類のドライフルーツに加え、ナッツやフレーク、柿ピーなどを混ぜることで、急速なエネルギー補給と持続的なエネルギー供給が可能になります。
保存性、日持ちの良さ
ドライフルーツは長期常温保存に適しているため、行動食に最適です。
一般的にドライフルーツの賞味期限は1.5カ月から半年ほどとされており、長期間の山行でも問題なく持ち運べます。
常温で保存できるという点も大きなメリットで、特に長期山行の後半に不足しがちなビタミンやミネラルの供給源として役立ちます。
オリジナルドリンクが作れる
山行中に飲める飲料は水やお茶が中心となります。
山小屋に立ち寄れば、清涼飲料水を買えますが、お金が掛かります。
そこで、行動食として持参したドライフルーツを使って、オリジナルフルーツドリンクを作るのがおすすめです。
ナルゲンに水とドライフルーツを入れ、1時間以上放置することで、果汁が溶けだし、さわやかな味わいになります。
今回は山下屋荘介さんのはちみつレモン+水で作ってみました。
レモンのさわやかさと、はちみつの甘さがおいしいドリンクが作れます。
是非、お試しください。
また、その他ナルゲンボトルの便利な使い方については下記の記事にまとめてあります。
ぜひ参考にして下さい。
ドライフルーツを行動食にするデメリット
メリットが有ればデメリットもあるものです。
ここからは、ドライフルーツを行動食にした場合のデメリットを紹介します。
重さ
市販のドライフルーツは、重量が登山においてデメリットとなります。
例えば、カロリーメイトやエナジーバーと比較すると、ドライフルーツのカロリーは少ないため、同じ量のカロリーを補給するためには、およそ1.5倍の重さのドライフルーツが必要となります。
カロリー(kcal/100g) | |
---|---|
ドライフルーツ_バナナ | 314 |
ドライフルーツ_マンゴー | 339 |
カロリーメイト | 500 |
1本満足バー | 527 |
このため、ドライフルーツは軽量化が求められるトレイルランやクライミングなどの登山スタイルには不向きです。
口の水分が奪われる
ドライフルーツは食べやすいというメリットがありますが、種類によっては口の中の水分が奪われやすい点に注意が必要です。
例えば、バナナやプルーンなどの甘く濃厚なドライフルーツは、食べると口の中の水分が奪われ喉が渇きます。
逆に、レモンやミカンなどの酸味の強いドライフルーツは、唾液が分泌されやすく、食べやすいという特徴があります。
登山中に口の乾燥を避けるためには、酸味のあるドライフルーツを選ぶか、こまめに水分も一緒に補給することが重要です。
まとめ
今回はドライフルーツを登山の行動食におすすめする理由6選とデメリットを紹介しました。
おすすめの理由は以下の通りです。
- ドライフルーツは生果実よりカロリー密度が4~7倍程度高く高カロリーである
- 口当たり、風味が良く自然な甘みがエネルギー補給にも役立つ
- 小分けにしやすく行動中もすぐ取り出して食べられる携行性の良さ
- 栄養バランス、食感、消化吸収が緩やかで他の行動食と相性が良い
- 賞味期限が1.5カ月から半年ほどで保存性が良く、長期山行に向いている
- ドライフルーツを水につけておくことでオリジナルドリンクが作れる
一方デメリットは
- エナジーバー等と比べて100g当たりのカロリーが少なく、重たい
- 濃厚なドライフルーツは、食べると喉が渇
上記の点から、長期の縦走などに向いている行動食と言えます。
今回の記事を参考に行動食にドライフルーツを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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