登山を頻繁に長く続けている方で、足のトラブルに悩まれている方は多いのではないでしょうか。
その中でも、以下の悩みを抱えている方は多いと思います。
- 毎回靴擦れを起こしてしまう
- 登山後や宿泊地で足の匂いに悩まされている
- 岩場などの足元が不安定な場所で疲れやすい
そんな方は、登山用ソックスを見直してみるのがおすすめです。
そこで今回は、夏山登山用のソックスにフォーカスし、効果と選び方、おすすめモデルを紹介します。
登山用ソックスを見直すことで、より快適に登山を楽しめるようになります。
・膝痛や靴擦れのトラブルを抱えている人
・登山用ソックスの消耗が激しい人
・登山中、より足元を快適にしたい人
登山用ソックスの効果と役割
足や膝への衝撃を和らげる
登山用ソックスの重要な役割の一つは、クッション性により足や膝への衝撃を和らげる事です。
ソックスの厚さは、薄手、中厚手、厚手、極厚の4種類に分けられます。
厚手を選ぶとクッション性が高まり、足や膝をしっかり保護しますが、足元が暑く感じることがあります。
一方で、最近の登山靴はクッション性が高いモデルも多く、ソックスに過度なクッション性を求めない場合もあるでしょう。
特に夏山用の登山靴では、ソールの硬さや靴のクッション性に合わせて、薄手~厚手のソックスを選ぶのが一般的です。
靴のクッション性と足元の快適さを考慮し、自分に合った最適なソックスを選びましょう。
靴擦れを予防する
次の2点を意識して登山用ソックスを選ぶことで、靴擦れを予防できます。
- 足やインソール、靴との摩擦のバランス
- 速乾性や吸湿性に優れる
登山用ソックスは、登山靴と足の皮膚が直接擦れるのを防いでいますが、十分な靴擦れ予防効果を発揮させるためには、登山靴やインソールとの摩擦が適切なソックスを選ぶことが重要です。
例えば、摩擦が強すぎると足とソックスが擦れ、逆に靴擦れの原因となります。
一方、摩擦が少なすぎると、靴の中でソックスが滑り、余計な体力を使ってしまう点に注意が必要です。
また吸湿性や速乾性により、足の蒸れによる皮膚のふやけを防ぐ点からも、靴擦れ予防につながります。
防臭効果
1日中履いた登山靴を脱いだときの嫌な臭いに悩む人は多いと思います。
特にテント泊や山小屋泊で、他の登山者と一緒に過ごす際には、足の臭いが気になることもあるでしょう。
足の臭いの原因は、汗や皮脂、そしてそれらを分解する常在菌によるものです。
このような臭いを軽減するためには、防臭効果の高い登山用ソックスを選ぶことが効果的です。
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速乾性や抗菌防臭素材を使用したソックスを使うことで、足の臭いを抑え、快適に登山を楽しむことができます。
足元の冷え防止
登山用ソックスの保温効果もチェックする重要ポイントです。
夏山登山でも、夜間、標高の高い場所では気温が10℃を下回ることが有ります。
足先は身体の末端に位置するため、特に冷えやすい部位です。
特にテント内や山小屋で気温が下がると以下の2点により、足先が冷えます。
- 身体が末端の血管を収縮させるため、足先が冷える
- 登山靴を脱いでおり、冷えが直接足に伝わる
このため、ソックスの保温性が重要となります。
夏山登山用ソックスの選び方
生地の厚さ
夏山登山用のソックスの生地の厚さは薄手~厚手を選ぶのが一般的です。
どの生地厚さを選ぶかは用途によって異なります。
- 薄手・・・通気性が良く、足裏感覚が良くのが特徴。トレイルランやデイハイク、クライミングに適しています。
- 中厚手・・・クッション性と通気性のバランスが良いのが特徴。縦走登山や歩荷に適しています。
- 厚手・・・中厚手より保温性とクッション性が向上。縦走登山でも特に気温の低い春先や秋口に活躍します。
自分もクライミングや夏、冬の縦走登山など、用途に応じて靴下の生地厚を使い分けています。
ご自身の用途に合わせた生地厚のソックスを選んでください。
生地の種類
生地の種類によって耐久性や保温性が異なります。
登山用ソックスに使われる代表的な素材はメリノウールと化学繊維です。
メリノウール
メリノ種の羊から取れるウール素材で、以下の点に優れています。
- 肌ざわり
- 吸湿性が高い
- 保温性が高い
- 防臭効果がある
通常のウール素材の繊維径24μm〜40μmと比べて、メリノウールは15.5μm〜24μmと細く、柔らかく優しい肌ざわりであるのが特徴です。
空気を保持しやすく保温性が高い一方、吸湿性にも優れており汗蒸れを外に逃がし不快感を抑える効果があります。
また、ウール繊維自体が吸湿するため、防臭効果も期待できます。
外側は鱗片(スケール)に覆われており薄い透明なクチクラ膜(キューティクル)で包まれています。
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キューティクルは水をはじき、温度によって開いたり閉じたりするスケールの働きがあります。
また内側の皮質部(クリンプ)は、水分を吸湿する性質をもち空気を含む作用があります。
一方、デメリットとして以下の点に注意が必要です。
- 希少素材で高価である
- 天然素材で虫食いが起こる
上記から、長期縦走やファストハイクなど、足を酷使する方にメリノウールのソックスをおすすめします。
化学繊維
化繊ソックスのメリットは以下の通りです。
- 速乾性が高い
- 耐久性が高い
- 安価である
化学繊維を代表するポリエステルは、繊維内に水分が入りにくく生地自体が保水しないため、速乾性が高い素材です。
また、耐摩耗性が高く頻繁に靴と擦れる靴下向きの繊維と言えます。
一方、デメリットは以下の通りです。
- 肌ざわりはメリノウールに劣る
- 汚れや臭い移りしやすい
- 化学繊維アレルギーの原因となる
ポリエステルは皮脂や汗を吸着しやすく、汚れや臭いが落ちにくい特性があります。
この点から、頻繁に登山に出掛ける方や、雨登山が多い方には、化学繊維のソックスがおすすめです。
つま先の形状
ソックスのつま先形状には、大きく分けて先丸型、五本指の2つが有ります。
それぞれの特徴をメリット、デメリットから解説します。
先丸型
先丸ソックスは、足先全体をまとめて覆う一般的な形状のソックスです。
特に、頻繁に登山に出かける方や、春から秋にかけて様々な標高の山を登る方に適しています。
先丸ソックスのメリットとしては以下が挙げられます。
- 保温性が高い
- 種類が豊富で選択の幅が広い
足の指全体を包み込むため、冷えを防ぐ効果があります。
特に気温の低い環境では大きな利点です。
一般的な形状であるため、さまざまな素材や価格帯の製品が市場に多く存在し、自分に合ったソックスを選びやすいです。
一方デメリットとして
- 蒸れやすい
- 悪臭の原因になりやすい
- 指と指の間に豆ができる
足の指の間に汗や皮脂が貯まりやすく、蒸れによる不快感や悪臭の原因になりやすいです。
これらのデメリットは素材や生地の厚さを工夫することで対策可能です。
通気性の良い素材や薄手のソックスを選ぶことで、足の蒸れや臭いを防げます。
五本指
足の指1本1本を覆っているタイプのソックスです。
5本指ソックスは足の汗や足裏感覚を重要視するアクティビティ、特にトレイルランに適しています。
5本指ソックスのメリットは以下の通りです。
- 防臭効果
- 足裏の感覚が敏感になる
- 指と指の間に豆が出来にくい
足の指の間に汗や皮脂が溜まるのを防ぐため、防臭効果が期待できます。
また、足の指が個別に動くことで、地面をしっかりと捉え、足裏の感覚がより敏感になるのが特徴です。
一方デメリットは以下の通りです。
- 靴擦れや爪割れの原因となる
- 履きにくい
5本指ソックスは通常のソックスよりも足先が広くなるため、靴の中で足先が圧迫され、靴擦れや爪割れを引き起こす可能性があります。
例えば、私の妻も5本指ソックスを使用していて、爪が割れた経験があります。
足と相性が悪い登山靴に加え、5本指ソックスを履いたことでつま先が圧迫された事が原因です。
特に足に合わない靴を履いていると、こうしたトラブルが起こりやすいので注意が必要です。
夏山登山用ソックスのおすすめモデル5選
ここからは上記の選び方を踏まえ、おすすめの登山用ソックスを5つ紹介してきます。
おすすめの 登山用ソックス | 【FITS】 ミディアムハイカー クルー | 【Smartwool】 ハイク フルクッション クルー | 【THE NORTH FACE】 トレッキング ミッドウェイト クルース | 【icebreaker】 ハイク+ ライト クルー | 【finetrack】 ラミースピンソックス5本指クルー |
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生地の厚さ | 中厚手 | 中厚手 | 中厚手 | 薄手 | 薄手 |
生地の種類 | メリノウール70%、ナイロン他 | メリノウール56%、ナイロン 他 | ウール4%、アクリル他 | メリノウール58%、ナイロン 他 | ラミー15%、ポリエステル他 |
サイズ | S、M、L | M、L | XS、S、M、L | S、M、L | XS、S、M、L |
カラー | 10色 | 3色 | 5色 | 4色 | 1色 |
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【FITS】ミディアムハイカークルー
生地の厚さ | 中厚手 |
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生地の種類 | メリノウール70%、ナイロン22%、ポリエステル6%、ライクラスバンデックス2% |
サイズ(ユニセックス) | S、M、L |
カラー(近い色味) | フィンチ(ワインレッド) ジュノー(ライトブルー) ツーソン(オレンジ) レッド コール(グレー) ネイビー ブラウン ストーン(アイボリー) ブラック エッグプラント(ダークネイビー) |
FITSのミディアムハイカークルーはフィット感とソフトな肌触りが特徴のソックスです。
18.5μmの極細ウールを使用しており、ウール特有のチクチクした不快感を感じません。
また耐久性が高く、自分も縦走登山で3年ほど愛用しましたが、生地のへたり具合は限定的です。
特に踵部は登山用ソックスでへたり易い箇所ですが、ミディアムハイカークルーはほとんど摩耗していません。
耐久性が高く履き心地の良い、縦走登山用ソックスを探している人におすすめです。
【Smartwool】ハイク フルクッション クルー
生地の厚さ | 中厚手 |
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生地の種類 | メリノウール56%、ナイロン11%、リサイクルナイロン31%、ポリウレタン2% |
サイズ(メンズ) | M(24-26.5cm)、L(27-29.5cm) |
カラー(近い色味) | チェスナット(ダークブラウン) ライトグレー ブラック |
ハイク フルクッション クルーは、メリノウールと化繊をバランスよく配合した登山用ソックスです。
最大の特徴は、足の甲部分に配置されたX状のエラスチックバンド。
このバンドが足をしっかりとサポートし、歩行時のブレを軽減することで、長時間の歩行でも疲れにくい設計となっています。
さらに、甲部分の生地が薄めで通気性に優れており、汗蒸れを防ぎ快適さを保ちます。
一方、踵とつま先にはクッション性が高い厚手の生地を使用しており、靴擦れを防ぐ効果があります。
ウィメンズモデルのハイク フルクッション サターンスフィアクルーは、特に縦走登山で高いパフォーマンスを発揮し、私の妻も愛用しています。
足の疲れや靴擦れに悩む女性におすすめしたいソックスです。
ハイク フルクッション クルー シリーズは、筋力が少ない方や長時間の登山で、足元のサポート力や靴擦れ対策効果を求める方におすすめです。
【THE NORTH FACE】トレッキング ミッドウェイト クルー
生地の厚さ | 中厚手 |
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生地の種類 | ウール4%、その他アクリル、ポリエステル、ナイロンなど |
サイズ(ユニセックス) | XS(21-23cm)、S(23-25cm)、M(25-27cm)、L(27-29cm) |
カラー(近い色味) | ブラウン×ベージュ チャコール×ダークグレー ネイビー×ブルー ブラック×ブラック レンガ×ソフトベージュ(レッド) |
化学繊維をメインに使用し、コストパフォーマンスと防臭対策に優れた登山用ソックスです。
ソックスにポリジン加工を行いバクテリアの繁殖を抑えることで、高い防臭効果を発揮します。
また、化学繊維を主な素材としているため、ウールソックスと比べて価格が手頃で、コストパフォーマンスに優れています。
さらに、足裏と踵部分には編み込みが施されており、アーチサポート機能やアキレス腱の保護を提供します。
特に、足をしっかりとサポートするため、長時間のトレッキングでも疲れにくい設計です。
偏平足に悩んでいる方は、インソールと組み合わせるとことでより強力なアーチサポートを得られ、足元の負担を軽減できます。
足汗に悩まれている方や、歩行の安定性を得たい方、コストパフォーマンスに優れるソックスを探している方におすすめです。
【icebreaker】ハイク+ ライト クルー
生地の厚さ | 薄手 |
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生地の種類 | メリノウール58%、ナイロン40%、ポリウレタン2% |
サイズ(メンズ) | S(25-26.5cm)、M(27-28.5cm)、L(29-30.5cm) |
カラー(近い色味) | ブリザードヘザー(ライトグレー) エンバー(オレンジ) ブラック ローデン(ダークグリーン) |
足元の快適さと防臭効果を優先したい人にはicebreakerのハイク+ ライト クルーをおすすめします。
icebreakerはメリノウール製品に特化した高い技術力を持っており、高い質感と防臭効果が有名なメーカーです。
ハイク+ライトクルーにはメリノウールの質感の良さに加えて、化繊(ナイロンとライクラ)を混ぜることで耐摩耗性も向上しています。
また、薄手ソックスは通気性も良いため、足汗を効率良く外に逃がせます。
以上から、足元を快適に保ちながら、高い防臭効果が期待できるため、デイハイクやトレイルラン、スピードハイクで活躍する登山用ソックスです。
【finetrack】ラミースピンソックス5本指クルー
生地の厚さ | 薄手 |
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生地の種類 | ポリエステル47%、ナイロン34%、ラミー15%、ポリウレタン4% |
サイズ(ユニセックス) | XS(22~23cm)、S(23.5~24.5cm)、M(25-26cm)、L(26.5~28cm) |
カラー(近い色味) | グレー |
足先の汗疹や、指の間の靴擦れに悩む方におすすめの登山ソックスです。
5本指構造により、各指が個別に包まれることで足先の汗を効率的に吸収し、蒸れを軽減します。
一方、生地厚が薄手のため、つま先部分が過度に圧迫されず、爪割れのリスクも軽減されます。
また、化学繊維にラミー(麻系の素材)を織り込むことで、ドライな履き心地と冷涼感を提供する点も大きなポイントです。
足先の靴擦れや汗蒸れを防ぎつつ、ドライ感や冷涼感を求める方にとって理想的な一足です。
快適な登山をサポートするこのソックスは、一度試してみてください、
まとめ
今回は夏山登山用ソックスの効果と選び方、おすすめモデル5選を紹介しました。
登山用ソックスの選び方は以下の通りです。
- クッション性や保温性、通気性などを考慮し、用途に応じた生地の厚さを選ぶ
- 肌ざわりや防臭、吸湿性を重視する場合はメリノウール、速乾性や耐久性、コストパフォーマンスを重視する場合は化学繊維の生地を選ぶ
- つま先形状は、バリエーションや保温性に優れる先丸型と、防臭効果や足裏感覚に優れる5本指型がある
また、登山用ソックスのおすすめモデルは以下の5つです。
- 【FITS】ミディアムハイカークルー・・・耐久性が高く履き心地の良い
- 【Smartwool】ハイク フルクッション クルー・・・足元のサポート力や靴擦れ対策効果が高い
- 【THE NORTH FACE】トレッキング ミッドウェイト クルー・・・防臭効果とアーチサポート機能がメリット
- 【icebreaker】ハイク+ ライト クルー・・・質感と防臭効果が高い登山用ソックス
- 【finetrack】ラミースピンソックス5本指クルー・・・足先のトラブルや快適性に強みがある
登山用ソックスは、登山靴やインソールより軽視されがちな足元のアイテムです。
しかしながら、直接肌に触れる重要なウェアであり、ソックスの性能で足元の快適性が大きく変化します。
ハイキングや縦走をより快適に楽しむため、お気に入りの登山用ソックスを探してみて下さい。
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