登山を始めて数年が経つと、こんな悩みを持つ人は多いと思います。
- インソールがへたり、クッション性がなくなってしまった。
- 靴擦れが起こるようになってしまった。
- 登山中の膝の痛みに悩んでいる。
そこで今回は、登山用のインソールに焦点を当て、選び方やえび家が使っているインソールを含めたおすすめモデルを徹底解説&紹介します。
・代表的な足のトラブル
・自分の足型の調べ方
・インソールの役割
・インソールの選び方
・膝痛がインソールで改善する理由
登山用インソールで対策できる足のトラブル
膝痛
膝痛は多くの登山者が経験する足のトラブルの一つです。
膝痛の代表的な症状が、ランナー膝(腸脛靭帯炎)です。
ランナー膝はマラソンなどの長距離ランナーによく起こるけがです。 ひざの屈伸運動を繰り返すことで腸脛靱帯が大腿骨の外側にある骨とこすれ、炎症を起こしてしまい痛みが発生します。
(中略)
オーバーユースが主な原因ですが、ランニングが主な要因ですが、柔軟性不足、硬い路面や下り坂のランニング、硬いシューズの使用などが重なり要因に加わることがあります。 その他にも、足部のアライメント(下肢アライメント)の不調なども要因として考えられます。
提供:ZAMST
特に偏平足の方は、O脚やX脚により足が斜めに着地時するため、膝に負担が掛かかっている可能性があります。
この状態を解消する方法の一つがインソールを活用する事です。
インソールにより以下の効果が期待できます。
- 本来の着地姿勢に戻す。
- 足のアーチを改善することで、着地の際の衝撃吸収性を改善する。
足元の姿勢を改善した結果、膝への負荷が減少し、膝痛が改善する可能性があります。
靴擦れ
靴擦れは足と皮膚が擦れることで起こります。
登山による靴擦れの原因は以下の3つです。
- 靴のサイズが合っていない
- 足の湿気と濡れ
- 身体に見合わない重荷、長時間歩行
これらの問題は、インソールで靴内の足の位置を補正したり、透湿性に優れるインソールを使用することで、予防できます。
そのほか靴擦れの詳しい対策方法は下記で考察していますので、参考にして下さい。
足回りをはじめとした疲労軽減
登山では、大腿四頭筋、下腿三頭筋、ハムストリングスといった足の筋肉に加え、背筋や腹筋といった体幹筋もフル活用します。
しかし、初心者や登山に適した筋肉バランスが整っていない方は、特定の部位に負担がかかりやすく、その結果、疲労が蓄積しやすくなります。
そこで、登山用インソールの使用がおすすめです。
インソールを活用することで、足元の安定性が向上し、身体全体のバランスが整います。
その結果、身体への負担が均等に分散され、効率的に筋肉を使えるようになります。
これにより、登山中の疲労を軽減しながら、より快適に山を楽しめるでしょう。
登山用インソールの選び方
自分の足の形状を把握する
インソールを選ぶに当たって、まず確認しないといけないのが自分の足の形状です。
特に重要なのが、アーチ(土踏まず)形状と実測長です。
アーチ形状は
- ハイアーチ・・・高いタイプ
- ミドルアーチ・・・標準タイプ
- ローアーチ・・・低いタイプ
の3種に分類されます。
自分の足型がどの分類に属するか把握してください
アーチのはかり方
アーチのはかり方はZAMSTのHPが参考になります。
ウェットテッシュの上にコピー用紙を置き、その上に立つことで足型が取れます。
詳しい測定方法は動画を参考にして下さい。
カカトの中央から土踏まずの一番くぼんだところを通るラインを線で結び、測定図と見比べてみます。
提供:ZAMST
自分の足を測定した例
自分の足を測定したところ、第2趾に向かって線が引けました。
このことから、自分の足はミドルアーチであることが分かります。
また、実測長も測定しました。
踵を壁に当て長さを測定した結果、実測長25.5cmであることが分かりました。
以上、二つの測定結果を使って、最適なインソールを選んでいきます。
形状が自分の足に合うか
インソールが自分の足裏形状に合うかを確認してください。
具体的なチェックポイントは、以下の4つです。
- アーチの高さ・・・インソールのアーチ部分が、自分の足のアーチ高さにフィットしているか。フィットしていないと疲労や膝痛の軽減効果が得にくくなります。
- 実測長・・・インソールのサイズが、自分の足の長さと一致しているか。サイズが合わないと、靴擦れの原因となります。
- ヒールカップの大きさ・・・ヒールカップに踵がフィットするか。ヒールカップが大きすぎると、踵が動いてしまい、小さすぎると圧迫感を感じることがあります。
- 母指球の位置・・・アーチサポートの端に母指球が正しく位置しているか。これにより、インソールが足の動きをサポートしやすくなります。
これらのポイントを踏まえ、購入を検討しているインソールが自分の足裏形状に合っているか確認しましょう。
適切なインソールを選ぶことで、より快適な登山が楽しめるようになります。
通気性
インソール選びの際に、通気性も重要なポイントの一つです。
特に足汗が多い方は、蒸れて皮膚がふやけやすくなり、靴擦れを引き起こすことがあります。
速乾性の高いソックスや通気性の良い登山靴を選ぶことも有効な対策ですが、そのうちの一つとして注目すべきなのが、通気性の優れたインソールの使用です。
通気性の良いインソールを選ぶことで、足蒸れを軽減し、靴擦れを予防できます。
例えば、インソールに通気孔が施されているモデルや、吸湿性に優れた素材(メッシュ素材や特殊な繊維など)を使用したモデルです。
これらのインソールは、足裏の通気を促進し、蒸れによる不快感を減少させる効果があります。
通気性の良いインソールを選ぶことで、足が長時間快適に保たれ、登山のパフォーマンスも向上します。
靴擦れの予防とともに、登山をより快適に楽しむために、インソールの通気性も確認して下さい。
靴下との滑り具合
インソールと靴下の滑り具合をチェックすることも、快適な登山のためには欠かせません。
登山時には、靴下とインソールの摩擦が重要な役割を果たします。
摩擦が高すぎると、靴下と足が擦れて皮膚に負担がかかり、靴擦れの原因となります。
また摩擦が低すぎる場合、靴の中で足が滑るので歩行時に余計な力が必要となり、体力の消耗につながります。
手持ちの靴下や購入しようとしているインソールのレビューを確認し、他の登山者の滑りやすさを購入前に調査しておくのがおすすめです。
焼岳で久しぶりにトランゴ テック レザー を履いて登ったんですが、
— ナオキ🤡 (@icemanNao) July 1, 2023
もう滑るしめちゃくちゃ歩きにくかったんですよね😭
変に力入ってあの距離で足は痛くなるし最悪だったんですよね😭
なのでとりあえずインソール替えてみる事に!
足のアーチ測って試し履きして買ってきたので効果あるといいなぁ。 pic.twitter.com/n7S8HWIAYg
違和感がある場合は、靴下やインソールを選び直すことも検討しましょう。
おすすめの登山用インソール5選
ここからはえび家がおすすめするインソールを、実際に使ってみた物を含めて紹介します。
【SIDAS】3フィート アクション シリーズ
対応アーチ形状 | ローアーチ、ミドルアーチ、ハイアーチ |
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対応サイズ | 22.0cm ~ 31.0cm |
偏平足(ローアーチ)や凹足(ミドルアーチ)で、膝痛や靴擦れに悩んでいる方に最適なインソール。
このインソールは、足に合わせて成形する必要がなく、すぐに使用可能です。
特に偏平足の方に嬉しいポイントとして、踵部には衝撃吸収性の高いジェルが組み込まれている点です。
このジェルにより、歩行時に踵にかかる衝撃をしっかりと吸収し保護します。
偏平足気味の妻もこのインソールを夏用登山靴で愛用しており、長時間の歩行でも膝への負担が軽減されたと感じています。
足のアーチに合わせたサポートを受けたい方におすすめしたいインソールです。
3フィート アクションの強いサポート力を実感しています。
【B+】VC35A Variable Control 35A
対応アーチ形状 | ローアーチ~ハイアーチ (調整可能) |
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対応サイズ | 21.5cm ~ 28.0cm |
自分の足に合わせ、自分でより細かく調整したい方におすすめなのが、Variable Control 35Aです。
インソール裏面にパーツを張り合わせることで、足のアーチ形状に合わせて調整可能な点が最大の特徴です。
#石井スポーツ太田店 です!
— 石井スポーツ 太田店 (@Ishii_Oota) February 23, 2024
\足の骨格補正します👣/
くるぶしあたる,拇趾球痛い,疲れやすいetc…😔
B+VC35Aは左右の違い,ゆがみ等から生じる問題を補正するインソール❗️
パーツ貼り足し,取外しでアーチの強弱を調整可能👍
足裏高低差ゼロのフィット感を是非体感🤗
🥾https://t.co/APEkwNnd2I#ホシノ pic.twitter.com/vVPYhqMXwG
Variable Control 35Aは、自分も夏山用の登山靴で使用しており、特に重たい荷物を背負った際、足元の安定性が向上していることを実感しています。
縦走登山や岩稜歩行をされる方におすすめのインソールです。
無数の穴が付いていますが、貫通穴ではなく、通気用ではないと思われます。
【SIDAS】アウトドア3D
対応アーチ形状 | ミドルアーチ |
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対応サイズ | 22.0cm ~ 29.5cm |
アウトドア3Dインソールは、より高性能なインソールを求める方におすすめの選択肢です。
純正インソールに特に問題がない場合でも、アウトドア3Dはその優れた機能性でさらに快適な歩行を提供します。
特徴は以下の通りです。
- 踵のEVAパッド: 長時間の歩行や重荷を背負った際でも、足への負担を軽減します。
- つま先の通気口: 足の蒸れを防いで快適さを保ちます。
- 表面のマイクロファイバー繊維: 足裏感覚を敏感にし、難しい地形でも足元の感覚を維持できます。
私は冬山登山靴でこのインソールを使用しており、特にアイスクライミングやアルパインクライミングでの靴と足のフィット感や足裏感覚の向上を強く実感しています。
純正インソールからより高いパフォーマンスを求めてアウトドア3Dに切り替えた結果、より快適に登山を楽しめるようになりました。
純正インソールの買い替えを考えている方や、登山中に足裏の感覚を大切にしたい方におすすめのインソールです。
【ZAMST】Footcraft STANDARD CUSHION+
対応アーチ形状 | ローアーチ、ミドルアーチ、ハイアーチ |
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対応サイズ | 21.0cm ~ 30.5cm |
SIDASの3フィート アクション シリーズに興味がある方は、ZAMSTのFootcraft STANDARD CUSHION+もぜひ検討してみてください。
3フィート アクションと同様に、自分の足の対応アーチに合わせ、ロー、ミドル、ハイの3つから選択できます。
Footcraft STANDARD CUSHION+の特徴は、高い衝撃吸収性と安定性をサポートしてくれる点です。
母指球と踵部に配置された衝撃吸収材により、下山時に膝や足首の負荷を軽減できます。
また、インソールを構成するフレキシブルホルダーとコアスタビライザーにより、凹凸のある地形でも足元を安定させることができます。
偏平足や膝痛などの足にトラブルを抱えている方や、足回りの筋力に自信のない方におすすめのインソールです。
【BMZ】 YAMAP別注 山を歩くインソール カーボン
対応アーチ形状 | – |
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対応サイズ | 22.0cm ~ 29.0cm |
ヤマップとBMZがコラボレーションして生まれた「山を歩くインソール カーボン」は、足本来の力を引き出すために設計された革新的なインソールです。
多くのインソールが土踏まずをサポートして安定性を提供するのに対し、「山を歩くインソール カーボン」は、足が本来持っているアーチを活かし、自然な動きを引き出すことを目的としています。
このインソールは、足底のサポートをあえて最小限にし靴の中で足が動く空間を確保することで、足先から足首、膝、腰へと着地の衝撃を段階的に吸収します。
さらに、カーボン素材と高性能の衝撃吸収素材「PORON®」の組み合わせが、適度な反発力とクッション性を提供し、足への負担を軽減します。
この構造により、長時間の歩行や重荷を背負った登山でも、足元の安定性と快適さが持続します。
トレイルランや縦走登山など、長時間行動や重量を持って歩く山行で活躍するインソールです。
まとめ
今回は足のトラブルに有効な登山用インソールの選び方とおすすめのインソールを5つ紹介しました。
登山用インソールの選び方としては以下の4点を解説しました。
- 足型を取り自分の足の形状が、ローアーチ、ミドルアーチ、ハイアーチのどれに属するかを把握する。
- 足裏の形状とインソールの形について、アーチ、実測長、ヒールカップの大きさ、母指球の位置の4つの視点で合うかどうかを確認する。
- 通気性の良い素材や通気孔が空いているかを確認する。
- 靴下とインソールの滑り具合が適切であるか確認する。
また、おすすめのインソールとして以下の5つを紹介しました。
- 【SIDAS】3フィート アクション シリーズ・・・アーチの形から選べる、衝撃吸収性も良い。
- 【B+】VC35A Variable Control 35A・・・安定性に優れる、縦走登山や岩稜歩行をされる方におすすめ
- 【SIDAS】アウトドア3D・・・高性能なインソールを求める方、足裏感覚を求める方におすすめ
- 【ZAMST】Footcraft STANDARD CUSHION+・・・アーチ形状、安定性、衝撃吸収性のバランスが良い
- 【BMZ】 YAMAP別注 山を歩くインソール カーボン・・・足本来の機能を発揮させる
足のトラブルは、ひとたび起こると楽しい登山を台無しにしてしまう問題です。
しかしながら、適切なインソールに変えることで回避できる場合も多いため、今回の記事を参考に自分の足に合ったインソールを選んでみて下さい。
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