標高の高い山に登ると日差しが強くなります。
特に雪山登山では、雪による照り返しが加わるため、夏よりも日焼けをはじめとした肌のダメージが増加します。
そこで、こんな悩みや疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
- 毎回ひどい日焼けに悩まされている
- 春の雪山登山などで暑くなると肌を露出してしまい、日焼けしてしまう
- 頻繁に山に登ってるあの人、なんであんなに肌が白いんだろう
- 彼女や妻(彼氏や夫)を山に連れて行く際、万全の日焼け対策をしてあげたい
特に男性は日焼け対策やスキンケアを軽視しがちで、毎回こんがり日焼けしてしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、雪山での日焼け対策を3選とスキンケア方法4選を紹介します。
・雪山での紫外線について
・冬に乾燥しやすい山域
・日焼け止めの選び方
・雪山でのサングラスの必要性
・おすすめのバラクラバについて
・スキンケアに役立つアイテムと特徴
雪山での肌トラブルについて
まずは、雪山での肌トラブルについて解説します。
日焼け以外にもいくつか注意したい肌トラブルがあるので、チェックしてください。
日焼け
登山で多くの人を悩ませているのが日焼けです。
紫外線量は標高が1000m上がるごとに10%増加するため、日焼け止めやウェアでしっかり対策することが重要です。
またこれに加えて、雪山登山では雪の照り返しも考慮する必要があります。
雪は紫外線を80~90%反射すると言われています。
紫外線の反射率は芝生が1~2%、アスファルトが10~20%なのに対し、雪
提供:オルト株式会社
は80~90%だといわれています。
雪山登山では、夏山の2倍弱程度の紫外線を浴びることになるため、紫外線対策は必須です。
肌の乾燥
標高の高い山では以下の理由により肌が乾燥します。
- 気圧の低下により、空気中の水分量が減少するため
- 気温の低下により、空気中に保持できる水分量も低下するため
- 山頂から吹き降ろす風は乾燥しているため
- 風に当たり続けることで、肌の水分を奪うため
特に雪山は、夏と比べて気温が低く、偏西風の影響で大きな山の東側は乾燥しやすい傾向が有ります。
例えば、八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスなどの山は乾燥しやすい傾向が有ります。
また北アルプスでも、東斜面側かつ標高が高いエリアとなる松本~大町・白馬も同様に乾燥に注意が必要です。
凍傷
凍傷は皮膚組織が凍結して起こる障害です。
極寒の環境で、強い風雪や血行不良により皮膚の温度が下がることで発生します。
頬、鼻先、足先、指先など末端が好発部位です。
また、凍傷の重症度は下記の3段階に分けられます。
- 軽度:皮膚が白くなりピリピリする
- 中度:皮膚が凍結し、回復過程で水ぶくれや皮が剥がれる
- 重度:凍結が真皮に及ぶ、血の混じった水泡ができ、体組織の壊死が起こる
特に重度凍傷は罹患部位の切断が必要となり、障害が残る場合が有るため注意が必要です。
雪山での日焼け対策3選
日焼け止め
日焼け対策と聞いて、まず日焼け止めを思い浮かぶ人は多いと思います。
登山用の日焼け止めで押さえておきたいポイントは以下の3つです。
- SPF
- PA
- 汗での落ちにくさ
SPF
SPFは、紫外線UVBを防ぐ力を示す数値です。
UVBは、日光を浴びた後に皮膚が赤くなる原因となる紫外線で、シミや皮膚ダメージの原因になります。
SPFは1から50+までの数値で表され、この数値が高いほど肌を長時間UVBから守れることを示しています。
例えば、SPF50+の日焼け止めは、何も塗らない場合と比較して、50倍以上長い時間、UVBを防ぐことが可能です。
特に、長時間外で活動する雪山登山では、SPF50+の日焼け止めがおすすめです。
PA
SPFは紫外線UVAを防ぐ数値です。
UVAは皮膚の深い部分に作用するため、シワやたるみの原因となる紫外線です。
PAの保護力は、PA+~PA++++まで、プラスの数で表されます。
長く、頻繁に登山を楽しむためにも、PA++++の日焼け止めがおすすめです。
汗での落ちにくさ
雪山登山といえど、晴れていれば汗をかきます。
せっかく塗った日焼け止めも、汗で落ちてしまっては意味が有りません。
汗落ちに強い日焼け止めを選ぶのが重要です。
絶対に焼きたくない人にはTop Athlete Sun Protect “Fighter”がオススメ!
絶対に焼きたくない人におすすめなのがTop Athlete Sun Protect “Fighter”です。
SPF50+/PA++++でありながら、圧倒的に汗落ちしにくいのが最大のメリット。
大量に汗を流すトップアスリートに向け、塗りなおしを可能な限り少なくするよう開発されており、長時間行動する登山にピッタリの日焼け止めです。
注意点は、使用後クレンジングを使う必要があることです。
防水効果が高い為、水や石鹸では落ちにくくなっています。
使用後はクレンジングを使って落とすようにして下さい。
サングラス
目元を広く覆うサングラスは、日焼け対策に非常に有効なアイテムです。
サングラスの役割は以下の2点に分けられます。
- 目元の肌の日焼け防止
- 雪目対策目
雪目とは、角膜が紫外線によってダメージを受けた状態のことで、これが原因で目が充血したり、涙が止まらなくなったり、ゴロゴロとした異物感を感じることがあります。
さらに悪化すると、目が開かなくなり、行動不能に陥る可能性もあるため、十分な注意が必要です。
雪山登山では、サングラスの着用を強くおすすめします。
おすすめはSMITH スミス Embark
SMITH スミス Embarkは、スタイリッシュなデザインと高い機能性を兼ね備えたサングラスです。
特にサイドガードが付いているため、横から差し込む強い日差しや風、飛んでくる雪をしっかりと防ぎ、目を守ります。
また、脱落防止ストラップを取り付けられるため、登山だけでなく、スノーボードやスキーといった様々なウィンタースポーツ全般に最適です。
これにより、激しい動きでもサングラスが外れる心配がなく、安心して楽しめます。
バラクラバ/サンマスク
天候が悪いときの頬や鼻先の凍傷対策として必携アイテムです。
通気性の良い薄手のバラクラバで有れば日焼け対策としても有効。
雪山登山だけでなく、スキーやスノーボードにも持っていきたい雪山のマストアイテムです。
また、バラクラバをすると暑すぎる3月末~5月の春山登山では、サンマスクをおすすめします。
通気性の良いモデルを選べば春夏兼用が可能です。
おすすめはファイントラック メリノスピンバラクラバ
我が家のおすすめはファイントラック メリノスピンバラクラバです。
通気性が良く、特に口元が成形&開口していて呼吸を妨げないのが大きなメリットです。
また春山登山の比較的穏やかな気候では、通気性の良いサンマスクがおすすめです。
サンマスクのおすすめはパタゴニアのサン・マスク
被るように使えば、耳や口、鼻、首回りまでガード出来ます。
また、下げて使うことで首回りを集中的にガードする事も可能です。
速乾性と吸湿発散性に優れるポリエステル製の生地で、UPF40+(素肌の40倍以上)の紫外線遮蔽率を有しています。
触るとひんやりする生地感も大きなメリット。
春~夏にかけて活躍する日焼け対策の超強力アイテムです。
スキンケア方法4選
フェイスパック
登山中は、汗や強い日差しによって肌がダメージを受けやすくなりますが、フェイスパックを使用することで、肌にうるおいを与え、乾燥を防げます。
特にビタミンCが含まれるシートタイプのフェイスパックは、保湿力と携行性に優れており下山後や泊地での使用に最適です。
男性の中にはフェイスパックに馴染みがない方もいるかもしれませんが、登山後の肌をリフレッシュさせるための手軽な方法として、ぜひ試してみてください。
肌の疲れが取れ、翌日の肌のコンディションが良くなります。
保湿クリーム・ワセリン
雪山登山のスキンケアアイテムとして欠かせないのが保湿クリームです。
特にワセリンはその多用途性から、エマージェンシーキットにぜひ常備しておきたいアイテムです。
雪山の小屋やテント泊では、乾燥によって手先や口先のひび割れが起こりやすくなりますが、ワセリンを塗ることで迅速にケアが可能です。
さらにワセリンは、
- 靴擦れやザックとの摩擦防止
- ファスナーの潤滑油
- 緊急時の着火剤
など、保湿以外にも登山中の様々なシーンで活躍します。
スキンケアをはじめとしたワセリンの万能さを、是非登山にも活かしてください。
乳液、化粧水
下山後のスキンケアとして活躍するのが乳液と化粧水です。
入浴後に乳液、化粧水を使うことで日焼けや乾燥による肌のダメージをケア出来ます。
また、小分けにして山小屋やテントで使用するのも効果的です。
最近は男性用の化粧水も多く、さっぱりする物やテカリを抑えるものなど肌質やニーズに合わせて選べます。
自分の肌に合った製品を見つけて、スキンケアに取り入れてみてください。
サプリメント、食事
サプリメントや食事を通じて、次の栄養素を意識的に摂取することで、内側からスキンケアを行えます。
- ビタミンC:肌のシミを予防し、抗酸化作用によって肌の老化を遅らせます。
- β-カロテン、ビタミンA:肌の新陳代謝を促進しヒアルロン酸の生成を助ける事で、保湿力が高まります。
- たんぱく質、アミノ酸:新しい細胞を作るための基礎となり、肌の再生をサポートします。
トマトやニンジン、カボチャはβ-カロテンを多く含むため、積極的に摂りたい食材です。
特にトマトはビタミンCも豊富で、肌の健康維持に非常に役立ちます。
また、鶏むね肉や魚肉は低カロリーで高たんぱくの食材ですので、これらの食材と一緒に調理することをおすすめします。
料理が苦手な方は、これらの栄養素を補うため、サプリメントを活用するのがおすすめです。
サプリメントは、ビタミンCやβ-カロテンを手軽に摂取でき、山行中でもスキンケアをサポートしてくれます。
まとめ
今回は雪山での日焼け対策を3選とスキンケア方法4選を紹介しました。
日焼け対策は
- 日焼け止め:雪山ではSPF50+、PA++++がおすすめ。
- サングラス:目元の肌の日焼け防止、雪目対策目として雪山では必携装備です。
- バラクラバ/サンマスク:日焼け、凍傷防止に有効なアイテム、春夏はサンマスクも〇。
の3点が有効な対策です。
また、同時に押さえておきたいスキンケアは
- フェイスパック:肌の保湿、疲労回復に適しています。
- 保湿クリーム・ワセリン:保湿用、特にワセリンは多用途で、エマージェンシーキットに入れておきたい。
- 乳液、化粧水:日焼けや乾燥による肌のダメージをケアできる。
- サプリメント、食事:ビタミンCやβ-カロテンを積極的に摂取して体の内側からケア。
の4つです。
今回の記事を参考に、雪山での肌トラブルを防ぎ、この冬を思いっきり楽しみましょう!
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